不動産登記における建物とは
建物表題登記は、新築や再築された建物の物理的な情報を初めて法務局に登録する手続きです。この登記を行うことで、建物の所在、家屋番号、種類、構造、床面積、新築年月日、所有者などが記録されます。
不動産登記における建物の要件は、以下の3つが基本的な条件として挙げられます。
- 定着性: 建物が土地に固定されていることが必要です。コンクリート基礎に固定されている建物は定着性が認められますが、コンクリートブロック上の組立式の物置や、土地に置かれただけのコンテナなどは認められません。
- 外気分断性: 屋根や周壁があり、外気を遮断できる構造であることが求められます。例えば、カーポートなどの屋根だけの構造物は外気分断性が不足しているため、建物として認定されません。
- 用途性: 建物がその目的に応じた使用が可能な状態であることが必要です。住宅展示場のモデルハウスは一見すると居宅ですが、一定期間後に撤去されることを前提としており、永続的な利用が想定されていないため用途性が認められないことになります。
これらの要件を満たさない場合、建物として登記することはできません。
近年では多様な建物も出てきており、不動産登記の対象になるのか判断の難しい建物もあります。その建物が独立した不動産として取引可能であるかどうかという「取引性」という判断基準で考えることもできます。